駒沢公園の小道をランボー「夏の感触」風に歩いてみた

2019-08-02

今日は真夏日の暑い一日でした。
夕方から少し風も出てきて、過ごしやすくなったので駒沢公園に散歩に出かけました。
以前から、自分の好きなランボーの詩「夏の感触」に出てくるような小道を駒沢公園の中に探して歩いてみたいと思っていました。
今日はぴったりの天候なので、草の小道を探しながら気ままに散歩です。
駒沢公園西口のレストランから梅林のほうに歩いていくと、

小道は見つかりませんでしたが、枯葉や草野が売店の裏あたりにありました。

夏の青い黄昏時に 俺は小道を歩いていこう

いつも不思議な感じているのだけれど、なんでランボーを読むと元気が出てくるのだろう?
だから気が向いた時にはバッグに、ちくま文庫の「ランボー全詩集」を入れて持ち歩いている。
ランボーはどうして若くしてこんな詩を書けたのだろう。
などと思いはいくらでも膨らんでくる。

草を踏んで 麦の穂に刺されながら

私がランボーに夢中になったのはずいぶん年を取ってから。
それも体調を悪くして病院で読んでから、
さらにランボーの詩はどんなに読んでも飽きが来ず私を救ってくれた。
とくに体調がいいとき、体に痛みのないときに読み直すと、こんどは爽快感がすごい。

足で味わう道の感触 夢見るようだ

運動靴から伝わってくる「道の感触」に注意を注ぎ込んだ。
やっぱりいいなあ土と草の感覚。
ランボーは気づかせてくれる。

そよ風を額に受け止め 歩いていこう

夏の夕方、少し風が出て涼しくなった時間、そよ風が嬉しい。
どんだけ歩いても疲れない、息が弾んでも気持ちが良い。

一言も発せず 何物をも思わず

何物をも思わないのは意外と難しく、いろいろな雑念が浮かんでします。
帰ったらいつお風呂に入ろうか、帰りにコンビニによって行こうか・・・
西口から入ってからしばらく、草の生えている場所をだいぶ歩いた。

無限の愛が沸き起こるのを感じとろう

「無限の愛が沸き起こるのを感じとる」これが一番難しい。
草の上にゴロンと横になれば、感じられるのだろうか?
でも、虫に刺されそうだし。ここではゆっくりと歩いて無限の愛を感じ取ってみた。

遠くへ 更に遠くへ ジプシーのように

そうだもっともっと歩くんだ。健康にも良いし、一万歩を目指そう。
ヨーロッパのジプシーはどんだけ歩いたのだろう。
でも、やはり私はいつまでも世田谷の定住民族でありたい。
まるで女が一緒みたいに 心弾ませ歩いていこう

バッグには詩集とスマホと小銭入れのみ、軽快に歩こう。
駒沢公園ではここら辺が、土の上を歩け「足で味わう道の感触」が味わえる唯一の場所ではなかろうか。


「夏の感触」アルチュール・ランボー

夏の青い黄昏時に 俺は小道を歩いていこう
草を踏んで 麦の穂に刺されながら
足で味わう道の感触 夢見るようだ
そよ風を額に受け止め 歩いていこう

一言も発せず 何物をも思わず
無限の愛が沸き起こるのを感じとろう
遠くへ 更に遠くへ ジプシーのように
まるで女が一緒みたいに 心弾ませ歩いていこう

Sensation : Arthur Rimbaud Mars 1870.

Par les soirs bleus d’été, j’irai dans les sentiers,
Picoté par les blés, fouler l’herbe menue :
Rêveur, j’en sentirai la fraîcheur à mes pieds.
Je laisserai le vent baigner ma tête nue.

Je ne parlerai pas, je ne penserai rien :
Mais l’amour infini me montera dans l’âme,
Et j’irai loin, bien loin, comme un bohémien,
Par la nature, heureux comme avec une femme.